公開講座「在宅ALS療養者の支援」

看護学専攻 教員 山口 さおり

第13回公開講座「在宅ALS(筋萎縮性側索硬化症)療養者の支援」(企画責任者:総合基礎看護学講座 中俣直美講師)が、平成28年9月3日に開催されました。今年で13回目を数えるこの講座は、重度難病患者の在宅療養支援の充実を目的に企画され、県内の看護師、保健師、介護支援専門員等38名の方にご参加いただきました。

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講座は2部構成で、前半は、「ALSの病態とその管理」(鹿児島大学病院脳・神経センター 橋口昭大助教)、「ALS療養者の現況とその看護」(中俣講師)、「ALS療養者の障害受容と療養者・家族の精神的ケア」(臨床看護学講座 堤由美子教授)、「難病療養を支える制度とその利用」(元鹿児島大学病院 地域医療連携センターMSW 田中美穂子氏)など、ALS療養者への理解を深めるための講義、後半は、在宅人工呼吸器装着者のケアに必要な技術として、三学会合同呼吸療法認定士資格を持つ鹿児島大学病院の看護師6名による「排痰ケア:フィジカルアセスメントモデルを使用したアセスメントとスクイージング」、ならびに中俣講師他2名による「他職種への気管内吸引指導の要点」の演習が実施されました。また、日本ALS協会鹿児島県支部の伊瀬知礼子支部長に講師としてご参加いただき、「ALS療養者・家族の立場から医療者に望むこと」と題して、意思伝達装置を介してご自身の発病以降の体験や医療者へのメッセージを伝えていただきました。

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受講者からは、「知識・技術の確認・振り返りができ、今後ALSの方を受け入れる自信がついた。」「ALSの病態とともに当事者の生の声を聴けたことは、今後の支援の中で必ず活きてくると思う。絶対に活かしていきたいです。」という感想をいただきました。大学が、ALS療養者と支援者をつなぎ、また地域の支援者同士をつなぐ場となる可能性を実感した公開講座でした。

台風12号の動きが気になる中受講していただいた皆さん、本当にご参加ありがとうございました。